妊婦歯科治療の重要性②
前回に引き続き、妊婦検診の重要性②をアップいたします。今回は妊娠中のお薬とレントゲン写真に関してです。今までも何度か取り上げた話題ですが、反響が大きいことから再度詳しく書いてみたいと思います。妊娠中はどうしても、母体への影響から歯科治療を躊躇してしまうところですが、治療が出来ないわけではありません。正しい、知識を持ち、痛みで我慢することのないように私たち歯科医師に相談してみてください。
①まず、お薬についてです。
最初に重要なことは、妊婦さんに安全なお薬は原則は無いということです。ただし、痛みを我慢したり、感染を放置することによるリスクを抱えるより、お薬を飲むリスクの方が低いと考えられる場合は積極的にお薬を使うべきです。比較的リスクが少なく、母体に安全と言われているお薬はありますので、担当医と必ず相談して決めてください。
②レントゲン写真について。
これも妊婦さんなら誰もが気になる話題ですよね(^v^)一般的に歯科で利用するX線量は非常に少ないため、防護エプロンさえしていただければ特に問題はありません。と言っても気になると思いますので、妊娠の時期別でどのように考えればいいかを表にしてみます。
妊娠3週未満
着床前はX線被曝があると胚は着床できず、妊娠は成立しません。あるいは、遺伝子レベルで完全に修復され、着床後の受精卵は形態的な異常は発生しないと言われている(All or Noneの法則)
妊娠4~15週
胎児が催奇形性に弱い時期であるので、注意が必要です。
妊娠15週~
器官形成期が終わっているので胎児の発育がX線撮影で影響を受けることはほとんどありません。ただし、決して気分のいいものではないので、十分な防護をして撮影をします。
このように、正しい知識で治療を行えば、妊娠期間中でも十分に治療を受けて頂くことができます(^v^)